烏帽子山のてっぺんにある 雲見浅間神社 から望む絶景
富士山を褒めてはいけない!?長くてツライ急階段の先にある絶景ポイント!
西伊豆、松崎町雲見にある烏帽子山。標高は162m。雲見海岸(東側)から眺めるとこんな感じ。ポッコリとして可愛らしい。
烏帽子山
が、千貫門(南側)から見ると様相は一転。かなり尖ってる…!険しい岩山なのであります。写真がないのでストリートビューで代用。
急角度の稜線は、まさに「烏帽子」を連想させますね。
なぜ、こんなに尖っているのかというと、この山は「火山の根」とのこと。もともとはマグマの通り道でした。「火山の根」について興味がある方は、下で紹介するページに掲載されているPDF画像を読んでみて下さい。火山で起こる現象について理解していると、より伊豆を楽しめます。
参考サイト
烏帽子山の絶景ポイントは、この尖った岩山の先端に位置しています。展望台のすぐ下には、雲見浅間神社の本殿が鎮座。今回はこれらを目指してハイキングしてきました。
先に言っておきましょう。
162mの山だからといって、あなどることなかれ。これはハイキングというより登山!!間違ってもビーサンで来てはいけない。登山できる格好で挑むべし。水は必需品。なお、ステッキがあると道中が少しラク。
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駐車場
烏帽子山の登り口に雲見浅間神社の駐車場(3~4台のスペース)があります。ただし、ここは神社の参拝客専用駐車場。利用させて頂くなら参拝も忘れずに。駐車場の奥にはトイレもあります。
神社を参拝しない場合や神社駐車場が一杯の場合は、雲見海岸の駐車場を利用できます。場所は海岸のすぐ横。雲見大橋の下をくぐった先にあります。
この場所でも良いですが、ここより更に奥へ進んで行くと、烏帽子山の麓に駐車場と浅間神社参道があるので、そちらに置いた方がラク。
雲見海岸から続く浅間神社の参道(2017年12月)
神社入口
まずは入口。なかなか雰囲気がある場所です。
案内板を見ると気が引き締まります。手始めに階段130段。その後、320段…!?
気になるのは「ロッククライミング禁止」という文字。以前は、この山でロッククライミングをする方がいらっしゃったようですが、2016年3月に死亡事故が起きてしまったことで禁止となりました。一体、どんな場所なんだ…!
さっそく不安になる。
最初の130段。何回か立ち止まって休みましたが、わりと簡単にクリア!雲見浅間神社の拝殿に到着しました。
ここで参拝。
雲見浅間神社(拝殿)
拝殿から海の方向へ細い道が続いているので、そちらにも行ってみました。
ビューポイント
ちょっとしたビューポイントです。海が綺麗。
このビューポイントからは富士山も見えるはずなのですが、今日は見えません。烏帽子山と富士山のお天気は、片方が良ければ片方が悪いといったように天気が異なる事が多く、お互いを見ることがなかなかできないのだそうです。それは…
烏帽子山(雲見浅間神社)に祀られる神様が、富士山の神様に嫉妬しているから。
そんな伝説がこの地にはあります。この他にも更にナマナマしい伝説が残っているんですよ!以下は、この二人の神様にまつわる神話です。
イワナガヒメとコノハナノサクヤヒメ
雲見浅間神社の神様はイワナガヒメ(磐長姫)。単体で祀られています。
イワナガヒメには妹がいました。富士山本宮浅間大社に祀られるコノハナノサクヤヒメ(木花開耶姫)です。美しいコノハナノサクヤヒメに対して、姉のイワナガヒメはブサイク。
ある時、アマテラスオオミカミ(天照大御神)の孫、ニギギノミコト(瓊瓊杵尊)がコノハナノサクヤヒメに一目惚れしました。そして彼は、彼女の父親であるオオヤマツミ(大山祇神)に彼女との結婚を懇願しました。すると、オオヤマツミは「イワナガヒメも一緒に。」と姉妹二人をニギギノミコトに差し出したといいます。(なんだその展開!ちなみにオオヤマツミは、大山祇神社や三嶋大社の主祭神。)
しかし、ニギギノミコトはブサイクなイワナガヒメは必要なかったので、彼女を父親の元に送り返してしまいました。
イワナガヒメは悲しみ雲見に隠れ住むようになり、コノハナノサクヤヒメを憎むようになったのだそうです。
「烏帽子山で富士山を褒めると海に突き落とされる。」
コノハナノサクヤヒメは富士山の神様。なので、富士山を褒めるとイワナガヒメが嫉妬してご機嫌が悪くなるというわけです。
(神様たちの世界ってドロドロしてるんだなぁ。)
確かに烏帽子山で、美しい富士山に気を取られていたらケガをするかもしれません。拝殿より先は結構ハード。歩きづらくなるので気を付けて下さいね。
320段の階段
さて、目の前に立ちはだかるのは長い長い階段。どうしよう…
えーっと。先が見えません。途中で曲がったりするわけではなく、まっすぐ続いているんですけどね。見えないんですよ。エスカレーターだったらいいのになぁ。
なんてブツブツ言っていないで、さっさと登るしかない。
少し登ると、階段中央部分に手摺りが付きます。上に行くにつれ階段自体がボロボロになるうえ、落ち葉や木の枝を踏んでしまうと滑ることもあるので気を付けて下さい。
手摺りに頼るか、ステッキを利用した方が良さそう。私は三脚をステッキ代わりに登りました。
何度も立ち止まっては休むのを繰り返し、ようやく階段を登り切りました。足がカクカクするよ…!!
階段を振り返ってみる。
うわあ…結構な道のりでございました。がんばったよ。自分!
さて。ここでも参拝。中之宮です。
雲見浅間神社 中之宮
だいぶ高いところまでやってきたようです。海が遠い。
蚊がいそうだなとは思っていましたが、ここで初めて襲われました。何匹もデカイのが寄ってくる。立ち止まっていなければ追っ払えますが、ここでは一休みしたいですよね。蚊除けがあると助かります。
山道へ
ここから山道。緩やかな遊歩道的な道が続いているかと思いきや「これって普通に登山だよね?」
そんな感想が私とダンナから共に発せられます。しかし、先程の長い階段よりはマシでしょうか。緩急があるし、周りの景色を見回す余裕もありました。
この道は最低でもスニーカーが必要。私はちょっとナメており、スポーツサンダルのKEENを履いていました。つま先が覆われているタイプなので何とかギリギリOKでしたが、枝などがサンダルの隙間から刺さる可能性もあります。皆さんはマネしないで下さいね。
この大きな木の根を越えた辺りから、道が少しハードになります。ゴロゴロと大きめな岩が転がっているので一歩一歩気を付けて。
しばらく歩くと目の前に道を塞ぐ大きな岩が出現。
この岩の左脇を通ります。左側は崖っぷち。右手を岩に掛けながらゆっくりと歩いて下さいね。路面が濡れていたりして滑りやすそうなら引き返す勇気も必要。
ゆっくりと十分に気を付けて
この岩を抜けてすぐに石階段が現れます。石段の先には建物がチラリと見えていました。いよいよ…!?
石階段を登り切った先には雲見浅間神社本殿が佇んでいました。道のりが大変だったせいか感慨深い。入口からここまで約45分。参拝したり写真やビデオも撮りながらなので、ロスは結構あります。その気になれば、もっと早く登れそう。
雲見浅間神社 本殿
本殿前も開けているので景色は良いですね。汗びっしょりなので顔に当たる風がひやりと心地いい。
そして本殿の左脇。展望台への最後の石階段がありました。
登る前にちょっと待った!本殿横にある案内板を見ておいて下さい。山頂からの眺めの案内図です。
そして最後の石階段をば。この階段、踏面が狭すぎのうえ段差も高め。めちゃ急で登りにくいんですけど。ちなみに、下の写真は私の足(23cm)です。かかとを背にピッタリと付けていますが、1/4 くらい足先が出てしまう。この山の石階段は、最後の最後までキツイんです。
で、やっと着いたぞ。これが展望台!
展望台
狭し…!!
4人くらいなら余裕がありますが、それ以上の人数が乗るのは微妙。混んでいると階段から転げ落ちそうでコワイ。お気を付け下さい。
かなりフォトジェニック!!
展望台から反時計回りで360度撮った写真を載せていきます。
まずは東側、雲見浅間神社本殿と雲見海岸方面。雲見海岸の透明感が良いですね。爽やかで。
東側: 雲見浅間神社本殿と雲見海岸
次は北側。先程見た案内図によると、海を挟んで向こう側に見えているのは堂ヶ島のようです。なお、富士山もこちらの方向に見えるはずですが、霞んでいて見えません。見えても「綺麗!」とか言わないように。この場所でイワナガヒメの怒りを買うと大変です。突き落とされたら死にますよー。
北側: 富士山&堂ヶ島方面
西側は真っ青な海が広がっています。青が深い。
西側: 広い海
南側はかなりフォトジェニック。岩山や山肌の美しさは目をみはるものがあります。
南側: 海から突き出ているのは千貫門
海から突き出た巨岩は「千貫門(せんがんもん)」。烏帽子山と同じく「火山の根」なのだそう。この展望台からは見えないのですが、岩の中央部にはトンネルのような空洞があり、名前の通り「門」のような形をしています。堂ヶ島から千貫門行きのクルーズ船が出ているので、天気の良い日に乗ってみたい。
西伊豆・堂ヶ島「洞くつめぐり遊覧船」-伊豆遊覧船、堂ヶ島マリン
南側を綺麗に撮りたかったのですが、若干逆光なのでイマイチ。何時がベストなんでしょう??(これを撮ったのは11:30頃)
海の岩場の一角を写真で切り取ってみると、どこぞの無人島にでも来てしまった気になりますね。
この猛々しい自然のすぐ隣に雲見の集落がある。これがまた印象的。
雲見の集落と荒々しい山肌
こじんまりとまとまっていてちょっと可愛い町並み。
以上が360度の絶景です。スゴイご褒美をもらった気分!
なお、注意すべきは帰り道。あの長い階段です。足が笑ってしまうんですよね。カクカクして力が入らなくなるので、手摺りに掴まりながらゆっくりと降りて下さい。最後まで気を抜きませんように。
これにてリポート終了。如何でしたでしょうか。登ってみたくなりますよね!オススメですよ。烏帽子山!
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施設情報
烏帽子山 & 雲見浅間神社 / えぼしやま & くもみせんげんじんじゃ
静岡県賀茂郡松崎町雲見MAP
駐車場 / トイレ
必需品&あると便利なもの: 歩きやすい靴 / 水 / 虫よけ / ステッキ
施設に関する詳細は上記サイトでご確認下さい。
記事データ : 2016年9月初旬
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たま〜に、がんばってもあまり報われないビューの山がありますが、烏帽子山は違います。混んで欲しくはないけど皆に知って欲しい絶景です。